大阪大学 大学院理学研究科・理学部塩見記念室Shiomi Memorial, Osaka University

大阪大学理学部には塩見記念室と呼ばれる一室がある。化学系の研究室のセミナー室として、教員や学生が議論を通じて研究を深める場所として利用され続けているが、その名前の由来は必ずしも利用者にあまねく知られているわけではない。それは大阪大学理学部、そして大阪大学の創設に大きな役割を果たした塩見理化学研究所と、その創設に情熱をかけた塩見政次氏の足跡と情熱を永遠に伝えるためのものである。

理学部の芝哲夫名誉教授は、大阪大学五十年史を編纂するにあたって、その当時残されていた塩見理化学研究所の資料を丹念にしらべて、論説を残している[1]。その記述を頼りに、理学部創設の礎になった、塩見政次氏、塩見理化学研究所、そしてその大阪大学とのかかわりについてたどってみよう。

[1]「塩見理化学研究所小史」大阪大学史紀要. No.3 p.31-p.43 (1983)
https://hdl.handle.net/11094/8755